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2024/09/24
飲食店などの閉店や契約満了にあたり、テナントを家主に返却する方法のひとつが「原状回復」です。
そこでさらに、原状回復の手段となるのが「スケルトン返し」や「居抜き売却」と言われ、基本的にはテナントを賃貸し始めたときには返却方法は決まっています。
▼この記事でわかること
・そもそも原状回復とは?
・スケルトン返しと居抜き売却の違いとは?
・お財布にもっとも優しい店舗の返却方法とは?
そもそも「原状回復」や「スケルトン返し」「居抜き売却」などと専門用語を並べられても、ピンとこないかもしれません。
この記事では、原状回復やスケルトン返し、居抜き売却がそれぞれどのようなものなのかを解説し、合わせてベストなテナント返却方法をご紹介します。
目次
「原状回復」とはつまり、「飲食店のテナントを借りたときの状態に戻して返してください」ということです。
思い出してみてほしいのですが、テナントを借りたとき、どのような状態だったでしょうか?
壁や内装がなく、柱が剥き出しの状態の物件へ、自ら工事をして今のテナントへと形を変えたでしょうか?
あるいは、借りた瞬間からテナントとして形ができており、簡単に内装デザインだけほどこして開店したでしょうか?
いずれの場合にも、「テナントの賃貸借契約を開始した時点」のテナントの状態に戻さなくてはいけない、というのが「原状回復」の義務です。
「原状回復」は下記でご紹介する「スケルトン返し」と混合されることが多いですが理由は、原状回復となるほとんどの場合にスケルトン返しだからです。
「スケルトン返し」と表現されるものは、原状回復において「テナントをまっさらな状態に戻す」ことを意味します。
まっさらというのは、壁や内装などを取り壊し柱などが剥き出しになった状態のことです。
つまり、次のテナント利用者は改めて内装工事をほどこさなくては、店舗として成り立たなくなります。
もともとスケルトン状態の物件を借りていた場合で、原状回復義務があるときに、「スケルトン返し」をしなければなりません。
一方で、最初に賃貸借契約をした時点でスケルトン物件ではなかった場合には、スケルトン返しの義務がない場合もあります。
スケルトン返しをするためには、テナント内装の取り壊し工事をする必要があります。
工事は1坪あたり数万円から数十万円(店舗の大きさによる)しますので、テナントが広いほど工事費用がかさむと考えましょう。
また、2階以上にある物件や、取り壊しのための機材が入りにくい物件、騒音工事ができる時間帯が限られている物件などは、費用が高くなる傾向があります。
テナントを整えるための工事に時間とお金をかけたお店の経営者からは「せっかく整えたテナントを、原状回復にあたり壊さないといけないの!?」と驚きの声が上がるかもしれません。
結論そのとおりで、本来であればそのまま他のテナント経営者に転用してもらうことで、資源も無駄になりません。
一方で取り壊してしまえば、次のテナントは自費で時間とお金をかけて、改めてテナントの形を作りあげなくてはいけなくなります。
しかし、もともと「スケルトン物件」状態のテナントを借りていた場合に「原状回復」義務がある場合には、スケルトン返しが義務であることがほとんどです。
資金、時間、資源どの点をとっても非効率的ではありますが、家主が希望している以上、従わなくてはいけないのが契約です。
スケルトン返しが時間と費用のかかるものである一方、それを回避する手段が「居抜き売却」です。
テナントの内装をそのまま、工事をせずに次のテナント契約者へと受け渡すことを意味します。
テナントの新しい借り手は内装をそのまま使えるため、はやければ借りた当日に開店することも可能という考え方です。
閉店と開店どちらにあたる工事も不要になるため、テナントを去る経営者と利用し始める経営者どちらにとってもメリットが大きいと言えます。
さらに居抜き物件の場合、造作物として内装や設備、厨房機器などに価値をつけて、新テナント経営者へ「造作物の売却」をするため、テナントを去る経営者には利益が出ることも多いです。
テナントを去る経営者にとっては、「スケルトン返し」にすることにメリットは一切なく、「居抜き売却」にはメリットしかないということです。
しかし、場合によっては居抜き売却を許可している家主さんもいらっしゃいますが、スケルトン返しでの原状回復義務を取り付けられていることが多いです。
経営者の視点に立つと、テナントを去る側と入る側どちらにとっても「居抜き売却」のほうが無駄がないため、スケルトン渡しにメリットはありません。
しかし、家主さんはスケルトン渡しでの原状回復を断固として希望するケースがあります。
理由は、万が一トラブルがあった場合に責任を取りたくないからであることがほとんどです。
たとえば新たなテナント経営者が居抜き物件を使い始めてから、厨房機器や壁、設備に何らかの不調があった場合、誰に責任が問われるでしょうか?
もしスケルトン渡しをしていれば自己責任で工事をして使用し始めることになるため、新テナント経営者からクレームが起こる可能性は低いです。
一方で居抜き物件の場合には、旧テナント経営者が気づかずに放置した問題を、そのまま新テナント経営者が引き継いでしまう可能性が上がります。
家主さんとしては、自分の過失ではない部分についても責任を負わされる可能性を加味し、スケルトン返しを希望するということです。
原状回復でスケルトン返しが必須であるケースでも、居抜き売却へ変更できる可能性があります。
家主さんのなかには、「居抜き売却がよくわからないから、いつもどおりスケルトン返しで」と希望しているだけの人も多いです。
ただしこの交渉はテナント経営者の独断ではなく、居抜き物件取引のプロである弊社のような居抜き物件買取業者にアドバイスを求められる事をおすすめします。
居抜き売却に関する専門的な知識のないテナント経営者からの交渉では、家主にとって悪い印象になり、取り合ってもらえない可能性が高いです。
スケルトン状態の物件で経営を始めた場合、原状回復義務によりスケルトン返しをしなければならないことがほとんどです。
しかし、経営者にとっては数百万円にもおよぶ解体費用を、閉店のために支払うということにメリットはありません。
一方で居抜き売却であれば、閉店費用として大きな黒字を狙うこともでき、経営者にとってデメリットがありません。
これから閉店するのであれば、可能な限り居抜き売却ができるよう動くことを強くおすすめします。
たとえ原状回復でスケルトン渡しが必須である場合にも、居抜き売却を諦めるのではなく、まずは居抜き物件買取業者へ相談してみましょう。
居抜き物件買取の専門業者である弊社では、無料で物件の価値を査定させていただくのはもちろん、家主さんとの交渉にも多く成功例がございます。
居抜き物件としての取引をご検討なら、お気軽にご相談ください。