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2023/09/20
真夏日が続き、室内の冷房管理や冷蔵・冷凍設備のフル活用など、なにかと電気代がかさんでいることに気づき驚いた、というのは飲食店でよくある話です。
とはいえ電気代は、飲食店にとって必要不可欠な固定費用。
無くすことができないからこそ、日頃から無駄なく節約することで、年間にかかるコストが大きく異なります。
▼この記事でわかること
・飲食店の一般的な電気代
・今すぐ見直すべき節約ポイント
・電気の節約に取り組む際の注意点
この記事では、夏の電気代を節約したい飲食店経営者さんが、いますぐ見直せる節約術や注意点について詳しくご紹介します。
目次
飲食店の経営に必要不可欠な水道光熱費ですが、必要な費用は売上の5〜8%ほどであると言われています。
電気代は水道光熱費のうちの80%をしめている飲食店が多く、見直しが成功することで大きく費用削減ができる可能性が高いです。
常に仕込み作業に水道光熱費がかかるラーメン屋や居酒屋、オーブン利用で高電力が必要となるベーカリなどは、特に水道光熱費がかさむ傾向があります。
夏の電気代を節約するために、まず見直したいのは下記の項目です。
①電力会社
②冷蔵庫と冷凍庫
③エアコン
④電灯照明
既存の機器を省エネ機器に取り替えることができればベストですが、飲食店に必要な機器は高額なことが多いです。
とりかえ費用と節電効果を比較したうえで、とりかえ費用をかけられないというときには、日頃の使い方など小さな点をコツコツ見直す必要があります。
それぞれの見直しポイントを、詳しくご紹介します。
まずは電力会社の見直しから行ってみましょう。
今までは、東日本と西日本それぞれに主力の電力会社が存在し、選択肢がない時代もありました。
現代では複数の電力会社が競合しながら、お得なプランを出しています。
契約を切って新しい会社と契約することを手間と感じるときは、他会社のより良いプランを比較しながら、交渉してみても良いです。
同じ会社が新しく良いプランを出すこともあるため、定期的に契約を見直して、ベストな選択肢ができると◎。
ただし、契約期間に縛りがある電気会社も多いため、今後の見通しをたてたうえで慎重に検討してください。
冷蔵庫と冷凍庫に余計な電気代をかけないためには、下記のようなポイントをおさえましょう。
・こまめな掃除
・温度設定
・詰め込みすぎ注意
業務用の冷蔵庫や冷凍庫は、壁にピタリとつけて設置できるものが多いです。
しかし、放熱版にホコリが溜まり目詰まりすると、コンプレッサーへの負担が大きくなり、余計な電力の消費をうながします。
また、温度設定を低くしすぎる必要はありません。
冷蔵庫なら1~5度、冷凍庫ならマイナス18~22度程度がベストと言われています。
中にある食材がくさらず、フレッシュさを保てるベストな温度設定を見直してみましょう。
なお、食材を詰め込みすぎてしまうと、全体がうまく冷えなくなり、結果的に必要以上に低い温度で設定しなくてはいけなくなります。
必要があるならもう一つ冷蔵庫を設置したり、食材のストック量を見直してみてください。
冷蔵庫や冷凍庫は、外部の掃除と内部の整頓を見直すことで、節約につながることが多いです。
エアコンのフィルターは、定期的に掃除できているでしょうか?
フィルターはホコリが冷却フィンの中に入れないために設置されていますが、ホコリが溜まると空気の侵入を妨ぎます。
必要な空気が入ってこないと、もっと空気を取り込もうとエアコンが必死に稼働するため、電気を消費します。
さらに湿気や油、タバコの煙などは冷却フィンに付着してカビの発生やしつこい汚れの原因になるため、さらに冷却フィンの動きを悪くすることも。
汚れが溜まり稼働しにくくなることは、エアコン本体の故障にも繋がりやすく、買い替えにもさらなるお金がかかるものです。
エアコンの掃除をするだけでも冷風の効き目は格段によくなるので、ずっと放置していたのであれば専門業者を呼んでクリーニングをしてみるのも良いでしょう。
とはいえ、できるだけ日頃から気にかけて、エアコンや冷却フィンを清潔でホコリのない状態にしておくのが一番です。
もし白熱電球を利用しているなら、電灯照明をLEDにするだけで電力を50%ほども削減できることがあります。
電気代が節約できるだけでなく、耐久年数も30倍ほどと言われており、長い目で見て大きな費用削減につながるのも◎。
店舗の大きさによっては、月に10万円以上の費用削減に成功する例もあります。
とはいえ比較的すぐに取り掛かることができる節約術なので、小さな店舗こそLEDに切り替えるのをおすすめします。
LEDの取り替えには費用がかかりますが、それでもLEDに変更した方が大きく節約になることが多いです。
デザイン性などどうしても白熱電球にこだわらなくてはいけない理由がないのであれば、すぐにLEDに変更することをおすすめします。
電気代の節約はとても重要ですが、節約ばかりに気を取られてしまうのも危険です。
電気代の節約をするときに気をつけたい注意点は、たとえば下記があげられます。
①同時にいくつも対策をしてしまう
②サービスが低下してしまう
それぞれ詳しく解説します。
電気代の節約を試みるため、複数の対策を同時におこなってしまうのはおすすめしません。
なぜなら、試してみても案外結果が出ないときがある一方で、大きな結果につながる節約術もあるはずだからです。
結果的に何が原因で電気代が高くなっていたのか、どうすれば節約につながるのかをはっきりさせるためにも、個別に対策を取っていくことをおすすめします。
電気代の節約をしたいからといって、サービスの低下につながってしまうのはNGです。
たとえば、節約重視になりお店自体の環境から快適さがうばわれてしまうと、お客様はもちろん従業員の損失にもつながります。
電気料金が削減できるからといって、エアコンの温度を1度変えるだけでも、体感温度は大きく変わってしまうもの。
店内が暑くて汗をかいてしまう飲食店に人気が集まるはずはなく、気持ちよく働けない環境から離れたいと考える従業員が増えるのも無理はありません。
節約は大切ですが、ほどほどにすべき点と判別をつける必要があるでしょう。
飲食店にとって、夏の暑さは回避せざるをえないものです。
電気代は暑さとともにかさんでいくかもしれませんが、根本を見直すことで大きな節電につながるかもしれません。
固定費だけで赤字が続いてしまうようなら、飲食店の継続は危険です。
お店をたたむためにも、解約までの賃料と水道光熱費、原状回復工事など、さまざまな費用がかかります。
居抜き物件としての売却をすることで黒字閉店も可能ですが、赤字がふくらんでいる状態の飲食店は閉店の一歩手前の状態です。
まずは、不要な経費の見直しからはじめてみてくださいね。