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飲食店の撤退に必要な手続き

2020/05/29

飲食店を閉店し撤退すると決めた後、待っているのは様々な手続き。税金や保健所への届け出などの役所関連の手続きに始まり、水道・電気・ガス、利用中のリース契約・インターネット回線などなど…たくさんの契約が存在しています。

 

また、飲食店の場合、思い立ってすぐに閉店出来るという訳ではありません。契約上、退去通知の告知期間や違約金が設定されていることがほとんどです。

 

飲食店の閉店はオープン時と同様、非常に多くの労力がかかりますので、必要なことを事前に把握しておくことで、不要な手間やお金をかけないようにしましょう。

 

 

飲食店の閉店に必要な手続き

店舗の解約手続き(居抜き売却の場合は必要なし)

ほとんどの場合、飲食店の契約時に、貸主との間に「賃貸借契約」を結んでいます。そこには「退去通知の時期」が記載されていて、仮に6ヶ月前と決まっている場合、閉店したいと思って大家さんに通知をしても、そこから半年間は、例えお店を営業しなくても、家賃を払い続けなければなりません。

 

また、違約金が設定されている場合もあります。例えば、5年間の契約で店舗を借りている場合、期限内に退去通知をしても、残りの期間に応じた違約金を求められることがあります。

 

まずは自分の賃貸借契約書を確認し、閉店の何ヶ月前に通知をしなければならないか、契約期間と違約金の額を確認しましょう。確認後、不動産屋に撤退の旨を連絡します。

「書面」による解約通知が必要な場合がほとんどです。

 

 

従業員の解雇

アルバイトスタッフ・正社員を雇っている場合、従業員には遅くとも1ヶ月前までには解雇通知をしなければいけません。従業員の解雇には、大きく分けて「懲戒解雇」と「普通解雇」があり、閉店による解雇は、普通解雇の一つ「整理解雇」となります。

 

整理解雇の場合には、労働者に落ち度はありません。整理解雇を言い渡した後も、

・役員報酬は変わっていない

・求人募集を積極的に行っている

このようなことがあると違法となる可能性がありますので、ご注意下さい。

 

 

取引先・仕入先に廃業を伝える

取引先や仕入先との間に、未払いのお金がある場合は、その整理を行います。今後改めて、新たに飲食店を始めることを考えると、ここはなるべくスムーズに行うことをオススメします。

 

 

リース契約の解除 

オープン時に冷蔵庫やビールサーバー、エアコンなどを「リース契約」していた場合、それらも解約しなければなりませんが、好きなときに解約できる「レンタル」とは違い、リース契約は途中で解約ができません。

 

一般的に最短4年〜7年前後の契約となりますが、やむを得ず途中解約しなければならない場合、定められた残存金額を一括で支払うことになりますので、残存金額を確認しましょう。オープンから間もない閉店の場合、残存金額が100万円を超える場合も多々あります。

 

またリース契約では、保守責任は借りた人にありますので、解約時に壊れていた場合にはさらに出費がかさむことが考えられます。また、リース機器は勝手に売却することも出来ませんので、ご注意下さい。

 

 

レンタル品の返却

リースとは別に、レンタル品も忘れずに返却しましょう。間違えて売却してしまうことや、返却をし忘れて余計な費用がかかることのないように注意しましょう。

 

 

銀行に連絡 

飲食店を開店する際に金融機関から融資を受けている場合、銀行への連絡が必要です。仮に、撤退後も変わらず月々の支払いを続けることが可能だとしても、必ず事情を説明してください。銀行は、飲食店を経営することに融資してくれたのであり、他の方法でお金を返済していくことは、想定していないためです。

 

連絡を入れることで、全額の返済を迫られるのではないかと思うかもしれませんが、そういったことはありません。今後の返済プランをしっかり話し合い、払い切ることで次回の融資にも好影響となりますので、一度金融機関の窓口にてご相談下さい。

 

 

原状回復・スケルトン工事(居抜き売却の場合は必要なし) 

飲食店の場合、こちらが非常に大きな問題となります。解約時には、店舗を借りたときと同じ状態にして返却しなければなりません。通常、コンクリートがむき出し・室内には何もない状態(スケルトン)で借りることがほとんどで、そこに多額の費用をかけ、厨房器具や内装を設置していきます。

 

せっかく多額の費用をかけて設置したそれらを、またお金をかけて全て処分しなければなりません。スケルトン工事費用は20坪前後のカフェで約100万円、焼肉店の場合で140万円と高額です。さらに工事期間〜工事完了後は、店舗営業は出来ませんが、その間も家賃は発生し続けます。

 

居抜き売却をオススメする大きな理由の1つとして、この原状回復工事が必要なくなることが挙げられます。

 

 

役所関連の手続き

保健所

保健所には、営業終了後10日以内に廃業届けを提出します。

また、飲食店営業許可証・食品衛生責任者証の返却も必要です。

 

 

税務署 

税務署に提出する書類については、状況によって異なりますが、仮に個人事業者の場合、

・個人事業の廃業等届出書(30日以内)

・青色申告の取りやめ届出書(翌年3月15日まで)

・消費税の事業廃止届出書(速やかに提出)

などが必要となります。

 

また、従業員を雇っている場合、

・給与支払事務所等の廃止届出書(30日以内)

も必要となります。

 

 

公共職業安定所 

雇用保険に加入していた場合には、

・雇用保険適用事業所廃止届

・雇用保険被保険者資格喪失届

・雇用保険被保険者離職証明書

これらの書類を10日以内に提出する必要があります。

 

 

日本年金機構

雇用保険・健康保険に加入していた場合には、

・雇用保険適用事業所廃止届の事業主控

・健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届

これらの書類を5日以内に提出する必要があります。

 

 

労働基準監督署

雇用保険、労災保険のいずれかの労働保険に加入している場合には、

・労働保険確定保険料申告書

を50日以内に提出する必要があります。

 

 

その他手続きが必要なこと 

・上下水道の解約

・ガスの解約

・電気の解約

・電話回線の解約する

・インターネット回線の解約

・事業ゴミ回収業者の解約

 

これらは、事前に解約を伝えておかなければ、閉店後も基本料金が発生してしまうことが考えられますので、忘れずに連絡しておきましょう。

 

 

忘れがちなこと

口コミサイト

食べログや、Googleマイビジネスに閉店の告知を載せることも忘れずに行いましょう。また、ホットペッパー等の月々に支払っている広告費も、無駄な料金が発生しないよう、閉店前に確実に解約を伝えておきましょう。

 

 

まとめ

このように、店舗の撤退には非常に多くの手間とお金がかかります。オープンのときとは違い、気持ちも落ち込み気味なことも相まって、なかなか手が付かないこともあるかと思います。

 

従業員の解雇や、お客様に閉店を伝えることなどは、メンタル的にもつらく、相談相手もいないと非常に心苦しい日々が続きます。これらの手間を経験してしまうと、次の店舗を新しく始めようとする気持ちもわかなくなってしまうかもしれません。

 

役所関係の届け出や各種契約の解除など、どうしても自分でやらなければならないことも多々ありますが、居抜き売却をご依頼頂ければ、店舗の売却・撤退に関しては当社が代行します。時間やお金以外にも、気持ちの面での負担軽減にも繋がりますので、撤退をお考えの方は、まずは一度ご相談下さい。

           

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