お役立ち情報
おすすめ
2021/06/11
飲食店舗を閉めようと考え始めると、「M&A」や「造作譲渡」という言葉を目にすることが多いはずです。
「そもそもM&Aってなに?」
「M&Aと造作譲渡、何が違うの?」
「店舗を閉めるならどっちを選ぶべきだろう?」
このように頭を抱えているオーナーさんもいらっしゃると思います。
この記事では上記のような方に向けて、M&Aや造作譲渡の違いをはじめ、それぞれの利点や注意点まで詳しくお伝えしていきます。
▼この記事でわかること
・M&Aとは?基礎知識の解説
・M&Aと造作譲渡の違いとは?
・M&Aと造作譲渡、どちらを選ぶべき?
これから飲食店舗を閉めようと考えている方の参考になる記事になっています。
目次
M&Aは英語の「merger and acquisition」を略したもの、日本語に訳すと「合併と吸収」となります。
M&Aでは店舗営業に関わる「価値」を評価された上で譲渡することを意味し、「株式譲渡」や「事業譲渡」とも言われています。
主に大企業などで行われるM&Aが注目をあび、ニュースや新聞で見かけることも多いと思います。
とはいえ、最近では中小企業も積極的にM&Aを行うケースは非常に多いです。
特に飲食店をはじめ、アパレルなどサービス店でも取り組まれています。
すでに存在している事業を、別の企業がそのまま買収する、と言えばイメージが沸きやすいはずです。
M&Aで価値があるものとして評価されるポイントの例は、以下の通りです。
・株式
・顧客
・取引先
・レシピ
・ノウハウ
・従業員の雇用
・のれん
経営状態や認知度の高い店舗などは、下記で説明する「造作譲渡」と比べて高値で取引がしやすいのがM&Aの特徴であると言えます。
譲渡方法に関しては、会社丸ごとの場合もあれば、事業や店舗ごとのケースも存在します。
M&Aは、利益の出ている事業がその「価値」を譲渡することで利益を上げやすいのが魅力です。
しかし、利益が出ていない事業の場合は、価値を見出してもらうためのM&Aをするのは難しいことがほとんどです。
M&Aは店舗営業に関する全ての価値を譲るものです。
一方で造作譲渡は、店舗の設備や内外装、空調機器などの造作としての資産に対して価値をつけて売る、あるいは無償で譲ることを意味します。
造作譲渡の場合には、すでに退去が決まっている店舗へ、新しいオーナーが事業を持ってくることが多いです。
つまり、今まで経営していた店舗の従業員などが引き継がれることもないケースがほとんどです。
造作譲渡は、M&Aと比べると利益は出にくいことが多いですが、例え経営状態が良くない店舗であっても成約の可能性は高いのが魅力です。
M&Aと造作譲渡の最も大きな違いは、収益性であると言えます。
一般的にM&Aと造作譲渡では、金額に大きな差がうまれることが多いです。
なぜなら、M&Aの場合には生まれる利益に対して数倍の価値を認めて評価がされる一方、造作譲渡は店舗の造作や立地を評価として金額に変えます。
つまりM&Aは、現在経営状況が良い店舗にとっては、造作譲渡と比べてプラスアルファの収益が見込める手法と言えます。
ただし、M&Aにはメリットだけでなくデメリットも存在します。
それでは、M&Aと造作譲渡それぞれにあるメリットとデメリットについて、詳しくみていきましょう。
M&Aでは、「事業譲渡」や「株式譲渡」など、譲渡の形態によりメリットやデメリットが異なります。
まず「事業譲渡」の場合の主なメリットは、事業単体を対象とすることができるため、株式を必要としない個人事業でも取引ができる点にあります。
個人事業が事業譲渡をする場合には、現金で売買をすることがほとんどです。
また、ある程度大きな規模の事業として飲食店を経営している場合、例えその一部が不採算事業であった場合にも、事業譲渡による事業継続の機会になる可能性があります。
「株式譲渡」の場合の主なメリットは、手間がかからないことだと言えます。
株式で取引ができるため、余計な手間がはぶけることが多いです。
特に飲食店の場合、慌ただしく経営をしながら譲渡手続きを進めることを視野に入れていることもあると思います。
効率の良い譲渡方法として、飲食店にとってメリットの大きい取引だと言えます。
まずM&Aの主なデメリットは、成約まで時間がかかるケースが多いという点です。
造作譲渡に比べ、M&Aは資料作成、詳細調査、買い手選定、交渉など契約まで長期に渡るケースが多いため、早く買い手を探したい場合にはデメリットとなります。
次に「事業譲渡」と「株式譲渡」それぞれのデメリットを見ていきましょう。
「事業譲渡」の主なデメリットは、買い手側に手間がかかることです。
例えば飲食店の場合は、許認可をとり直す必要があります。
事業譲渡を行うことで、オーナーが変わるということは、経営者の名義で改めて飲食店の営業許可を取り直す必要が出てきます。
また、各種契約の名義変更なども当然必要となります。
事業譲渡をする場合には、手続きにかかる時間なども見越して動く必要があります。
事業譲渡では継承する資産や負債などの範囲を契約で選択することもできるので、ケースに応じて内容を確認しながら動くようにしましょう。
「株式譲渡」の主なデメリットは、買い手側はマイナス部分も継承されてしまうことです。
M&Aをする場合、買い手は売り手のもつ事業や従業員、顧客などを引き継ぐことができる一方で、負債等のマイナス部分も一緒に継承することになります。
軌道に乗るまでの負債が多い飲食店などは、買い手側にも大きなリスクとなるため、M&Aとして成約をするのは難しい可能性がある、という点が売り手にとってのデメリットとなります。
造作譲渡による主なメリットは、費用をおさえて利益が生じる可能性がある点です。
造作譲渡は「居抜き」などと呼ばれることが多いです。
居抜きとはつまり、店舗をそのまま利用できる状態のことを指します。
本来の閉店作業時に行う必要のある原状回復工事(スケルトン状態にすること)にかかる手間や費用をはぶくことができるだけでなく、売却をすることで生じる利益が入ってくるのは大きなメリットです。
特に立地や賃貸条件の良い物件は高値で売却できる可能性が高くなります。
また、原状回復工事をする必要がないため、物件を明け渡すギリギリまで営業を続けて利益を出すことができるのもメリットの1つです。
サクッと次の契約者が決まった場合には、空家賃を最短におさえられるため、費用が最低限におさえられるのも魅力です。
造作譲渡のデメリットは、しっかりと契約をしない場合、トラブルの原因になる可能性が高い点です。
造作が売れた後に、ここが壊れている、話と違うなどのトラブルになるケースもありますので必ず造作譲渡契約書を交わし、内容を明確にしておきましょう。
とは言え、契約内容の明確化を怠ることは、どのような譲渡方法を選択した場合にもトラブルのもととなるのは同様です。
必ず仲介業者を立てて内容を確認し、事業譲渡契約書を作成するようにして下さい。
この記事を最後まで読んで下さった方はおそらく「できればM&Aをしたいけど、ウチにもできるのかな?造作譲渡にするべき?」と感じているかもしれません。
弊社は飲食店の居抜き買取・仲介を専門として、閉店を考えている方のお手伝いをさせて頂いております。
悩むことがあれば、お気軽にご相談下さい。
24時間、お電話での対応を受け付けております。