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2021/05/06
飲食店を閉店することになったとき、ほとんどの場合に入居前の状態に戻すことが求められます。
「原状回復」作業と呼ばれ、物件の床・壁・天井なども全て取り壊しスケルトン状態する場合には、費用面に大きな痛手となってしまうのが特徴です。
一方で「造作譲渡」をする場合、必要な費用はほとんどありません。
逆に、譲渡される側から「造作譲渡料」をもらうことができるため、プラスになる場合もあるのです。
▼ この記事でわかること
・ 造作譲渡とは?
・ 居抜き物件とスケルトン物件の扱いの違い
・ 造作譲渡料とは?
・ 造作譲渡料の相場とは?
この記事では、造作譲渡とは何かから、造作譲渡料の相場まで詳しくご紹介していきます。
これから造作譲渡をしたいと考えている人や、店を閉めようと思っている人は参考にしてみて下さい。
目次
造作譲渡の「造作(ぞうさく)」とは、建物の天井や床、内装など、造りつけられているものを指します。
扉やカウンターなども造作に含まれます。
このように、造作譲渡をされる物件は「居抜き」と呼ばれます。
居抜き物件の場合、そのまま利用できる価値がある内装や設備を、いくらで譲れるのか交渉することができます。
これが「造作譲渡」です。
反対に全て取り壊されてそのまま使えない状態のことを「スケルトン」の物件と呼びます。
スケルトンの状況の場合は、柱や梁などの建物の構造がむき出しになっています。
原状回復が求められる場合スケルトンの状態にする必要があるため、スケルトン工事に費用と時間がかかるのがマイナスポイントです。
造作譲渡をすることにより得られるものは大きいです。
大きく分けると、以下の3点だと言えます。
・ 費用を削減できる
・ 利益が期待できる
・ スムーズに明け渡せる
それぞれのポイントについて詳しくお伝えします。
多くの場合に、店舗の物件を貸主に返す場合、原状回復が求められます。
原状回復にはスケルトン工事のための費用がかかり、当然自費となります。
工事内容や規模にもよりますが、坪当たり3万〜5万円前後が必要になることが多く、排気ダクトの撤去、はつり工事、工事時間制限、隣接店舗への配慮などに時間や費用がかかる場合は、より大きな費用がかかることが予想されます。
また、工事業者が家主指定か自分で選べるかによっても見積もりに差が出る場合があります。
このように、通常通りに退去をするためには費用がかかってしまうことがほとんどです。
一方で造作譲渡の場合には、工事の費用がかからないため、工事費用が丸々浮くことになります。
新しい入居者としても、新店舗をゼロから整えていく必要がないため、居抜き物件は好条件です。
需要の高い立地や店舗の場合、より良い金額で売却可能であることが期待できます。
つまり、スケルトン工事ぶんの費用がかからないだけでなく、利益も見込めるということです。
店舗の全てをまっさらな状態にするスケルトン工事をするという作業が必要がないため、とてもスムーズに閉店まで進めることができます。
売却した相手に明け渡す直前まで営業をすることができるため、収益をあげながら売却の日を待つことができるのも魅力です。
尚、造作譲渡は飲食店を居抜き物件として明け渡す場合に該当します。
オフィスなどの用途の場合には造作譲渡とは別部門になりますのでご注意ください。
造作譲渡をする場合の注意点についても触れておきます。
・ 原状回復と造作譲渡範囲をハッキリさせておく
・ 物件の所有者や貸主からの承諾
・ リース品を確認する
新しい借主とは、どこからが造作譲渡をする範囲で、どこからが原状回復をする部分なのかについてハッキリさせておくのが重要です。
新しい借主に明け渡すときにトラブルになるのを防ぎましょう。
物件の所有者や貸主から、新しい借主へと造作譲渡をすることを承諾してもらう必要があります。
また、借主はもともと原状回復をする義務があります。
新しい借主に造作譲渡する場合には、原状回復義務も引き渡すことになります。
借主は新しい借主に対してだけでなく、貸主にも承諾を得ておく必要があります。
さらに、貸主は新しい借主に対して、再度飲食店として貸し出すつもりであることが条件になります。
貸主と新しい貸主の間に認識の違いがないように確認しておく必要があります。
リース品は基本的に、前の借主が返却するなどの対応をする必要があります。
造作譲渡の内容として含まれないことを、新しい借主にも伝えておく必要があります。
どこまでがリース品なのか、どんな契約になっているのかは、事前に確認をしておきましょう。
結論から言うと、造作譲渡料の相場はだいたい100〜200万円が多いように思いますが、「どんな物件でも必ず100〜200万円代におさまる」とは言い切れません。
なぜなら、物件それぞれの条件は一概として同じではないからです。
いざ居抜き物件をネット上で検索をしてみると、造作譲渡料が0円と表記されているものから、数千万円にのぼるものまで数多く見つかります。
それではこの値段は、一体どのように決まっているのでしょうか?
「きっと造作譲渡料金が高い物件は内装が綺麗なんだろう」
「造作譲渡料金が高いということは、設備が最新なんだろう」
このように考えている人もいると思います。
しかし、内装が綺麗であることや、設備が最新であることは、造作譲渡料の高低に直結しないのが事実です。
結局決め手となるのは、「需要があるかどうか」に限ります。
可能であれば造作譲渡で利益を出したいと思うのは、誰しも同じです。
しかし、買い手がなかなか見つからない場合には、収益が0円でも良いからすぐに買い手が決まって欲しいと思っているケースもあります。
とは言え、そのような0円物件が必ずしも最悪な条件であるとは限りません。
入居が決まらずに原状回復工事をするよりも、損をおさえられるからという理由で、0円で造作譲渡を希望していることも多いです。
造作譲渡料の決定権は現借主にあるため、結論としてはが価格を自由に決められるものです。
しかし、高く設定したところで、買い手がいなければ意味がありません。
例えば、立地が良ければ価格は高く設定できることが多いです。
市場について専門知識のない現テナント借主が自己判断で造作譲渡料を決めてしまうと、本来売れた金額よりも安く設定して損をしてしまったり、市場よりも高い金額を設定し損をしてしまうことがあります。
このような状況を防ぐために、専門業者に依頼をし、適正価格を割り出します。
店を閉めて造作譲渡をしたいと考えている方も、これから店を開けるために造作譲渡で店を検討している方も、不明確な点や不安が多いと思います。
「うちの物件はどれくらいの価格で造作譲渡できるんだろう?」
「こういう条件の物件を探しているけど、どれくらいの造作譲渡料で借りれるんだろう?」
このように悩んでいる方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。
ご希望条件など、丁寧にお伺いさせて頂きます。