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2022/03/23
飲食店の閉店方法を調べていると、案外お金がかかるポイントが多いことに気づき始めたと思います。
リースの解約、違約金の発生、契約期間の家賃など…閉店すればお金がかからなくなるというわけではありません。
特に大きな出費となるのが、「原状回復工事」です。
原状回復工事とはつまり、物件の壁や天井などを壊しスケルトン状態にして大家さんに引き渡すということ。
開店した際の契約書に「造作譲渡不可」と書かれていれば、原状回復工事が必要になるのが一般的です。
解決法は簡単で、大家さんに造作譲渡を認めてもらうことです。
解体工事をしないで次の契約者に引き継ぐことで、原状回復工事にかかる費用をおさえられ、あわよくば黒字になることも。
しかし、契約書で「造作譲渡不可」と決められているからには、何かしら理由があるはず…。
▼この記事でわかること
・「造作譲渡不可」と言われる理由
・大家さんに「造作譲渡不可」と言われたときの対処法
・造作譲渡をするときの相場
この記事では、大家さんに原状回復をせまられた人に向けて、解決方法をご紹介します。
目次
造作譲渡は大家さんに損失を与えるわけではないため、本来であれば認めてもらえない理由はありません。
それにも関わらず、大家さんが原状回復を求めるのはどうしてでしょうか?
理由は人それぞれですが、下記であることが多いです。
①とにかく今まで通りにしたい
②もう飲食店を入れたくない
③次のテナントとのトラブルの原因を避けたい
④大家さんが嫌がらせをしたがっている
それぞれのケースについて解説します。
今までもこうやってきて問題がなかったから、という理由で、新しい方法を受け入れたくないと考える大家さんは多いです。
特にテナントを貸してきた年数が長い大家さんや、複数のテナントを持っている大家さんほど、自分のやり方をつらぬきたいと考えることがあります。
大家さんとしては、今まで通りの方法でやった方が手間や余計な心配もいらず、楽だというのは納得できますね。
わざわざ新しい方法を取り入れるメリットがない、と言われてしまうことも。
この場合には、造作譲渡をすることによるデメリットがないことをしっかりと伝える必要があります。
大家さんに対してアプローチするなら、買い取り専門業者のプロをはさんで説得するのが得策です。
弊社もプロとして、このような案件を多く解決に導いてきました。
諦めてしまうのはもったいないです。
飲食店を経営してきたことにより、近隣からクレームを多く受けてきたというテナントであれば、大家さんが疲れてしまっている可能性があります。
料理店をやっていると、油や煙のにおいがただよってしまったり、酔っ払いが大音量で迷惑をかけたりと、トラブルが多かったのかもしれません。
もう飲食店を入れたくないからという理由で、原状回復工事を求められるというケースです。
この場合には、どのように問題を解決できるのか、納得してもらえるだけの根拠が必要になります。
当然、口約束だけでは説得力に欠けてしまいます。
匂いや騒音の対策については、資料を用意する必要もあるでしょう。
このような問題は、物件を取り扱うプロに相談するのが得策です。
テナントをそのまま引き継ぎをすることで、大家さん自身も気づかないような問題もあわせて引き継がれてしまい、後々問題になることを懸念する方がいらっしゃいます。
長い間使われてきた水道やガス管などの経年劣化を心配して、そのまま引き継ぐのを嫌がるというパターンもあります。
このような場合には、造作譲渡をすることで大家さんにとってのデメリットがないことをはっきりと説明・証明する必要があります。
大家さんがテナント内部の瑕疵担保責任をおわないことは、特に強調してお伝えするのがポイントです。
例えば水道設備に問題が見つかったときには、引き継いだテナントが自己責任で解決し、大家さんには負担をかけないという契約条項を入れるなどの対応で、大家さんにも安心してもらえるでしょう。
契約にはもちろん仲介会社を通して、不正がないことを明確にする必要があります。
お店の経営者と大家さんの関係が悪いと、経営者の肩を持つことを嫌う大家さんもいらっしゃいます。
原状回復工事をしないことで経営者の負担が軽くなるのを嫌がるため、なんとしてでも原状回復をさせようとします。
契約書に書かれていることなので、大家さんが了承をしてくれない限りは原状回復義務が課せられます。
日頃から大家さんと良い関係をつくっておくことが大切ですが、もしすでに手遅れという場合には、最後の手段として第三者に頼りましょう。
場数を踏み経験値の高い、買い取り専門業者にご相談ください。
法律が太刀打ちできないからこそ、心理戦で挑んでいきましょう。
大家さんがどうしても原状回復を求め、造作譲渡を認めてくれない場合には、戦略的に対応するしかありません。
造作譲渡不可と言う大家さんには下記を伝えることで、造作譲渡を拒否する理由がないことをわかってもらいましょう。
・大家さんにはデメリットがない
・新しい契約者が見つかりやすくなる
・スムーズに契約者が見つかれば家賃収入が途絶えない
・大家さんは内装造作物に関する瑕疵担保責任を負わない
・次のテナントが原状回復義務を引き継ぐ
・古い設備を新しくする費用は新テナントが負担する
特に、すでに買取希望者がいる場合には、大家さんも納得してくれることが多いです。
賃貸契約を途切れさせることもなく、大家さんにとっても安心できる条件であると言えます。
ただし、突然新しい契約希望者を連れて現れるのはとても失礼なこと。
話を勝手に進めている身勝手な人だと思われてしまわないように、事前のアプローチや準備が必要です。
大家さんへ相談に行くときには、まずプロに相談しアドバイスをもらいましょう。
ここで関係をこじらせて嫌われてしまえば逆効果で、意地でも言う通りにはしないと決意されてしまっては遅いです。
「原状回復をするとお金がかかるけど、造作譲渡をすれば黒字になるって本当?」
答えは、「需要による」です。
造作譲渡をするということは、店舗を買い取ってもらうということ。
店舗の値段は自分で決めることができます。
高い値段で新しい契約希望者が現れれば黒字になることもありますが、そうでない場合は0円で譲渡する場合もあります。
詳しくは別記事でご紹介しているので、造作譲渡料の決め方を知りたい方はあわせてどうぞ。
【関連記事】
>>造作譲渡料の相場とは?店を閉める前に知っておきたいことまとめ
原状回復義務のある物件を造作譲渡するのは、簡単なことではありません。
とはいえ、不可能なことでもありません。
黒字で店を閉じるという希望を捨てずに、まずはご相談ください。