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2024/02/21
飲食店の経営が傾き、どうしても黒字を作って立て直せないと考えたとき、「自己破産」は選択肢のひとつになるでしょう。
しかし、飲食店経営者の自己破産には少なくとも100万円ほどの費用がかかるため、借金がふくらんでしまう覚悟が必要です。
▼この記事でわかること
・自己破産に必要な費用
・自己破産の手続き
・借金を減らすためにできること
個人事業主である経営者の自己破産と、個人の自己破産はほとんど同じです。
しかし飲食店を経営者してきた場合には、店舗家賃や従業員給与など、債務が膨らむことが多いでしょう。
この記事では、自己破産を検討している飲食店の経営者さんに向けて、自己破産に必要な費用や手続き、少しでも借金を減らすためにできることを、詳しく解説します。
目次
「自己破産」というと、現在支払わなければならないものの支払い義務がなくなるもの、というイメージがあるかもしれませんが、経営者の場合そうではありません。
自己破産のためには弁護士や司法書士を雇い手続きをする必要があるうえ、従業員の給与や社旗保険料、税金などについては破産手続きをしても支払いの責務が残ります。
自己破産後に店舗の賃貸契約を終了させる場合には、契約書の内容にそって物件を引き渡す必要があります。
賃貸契約書に「原状回復義務」がある場合には、原状回復工事をする必要があり、小さな店舗でも数十万〜数百万円の負担がともなうでしょう。
自己破産と類似しているものとしてあげられる「廃業」は、経営者が自分の判断でお店を閉めることを意味します。
負債がない場合や、負債の返済目処がたつ場合に、自らの判断でお店を終わらせるときに「廃業」を選ぶことがあるでしょう。
一方で「自己破産」は、債務が大きくなりすぎて支払いできなくなり、経営を続けることが困難と判断された場合に、第三者から事業廃止を言い渡されることです。
自己破産した場合には原則、生活に必要なものをのぞき財産を現金化し、債務弁済にくわだてる必要があります。
もちろんまたお金を借りて経営を始めよう、というのは現実的ではなくなるでしょう。
飲食店の経営者が自己破産することを決めたら、下記の流れで進める必要があります。
①弁護士へ相談する
②弁護士から債権者へ受任通知を送る
③破産申立の準備をする
④破産管財人の選任をする
⑤破産手続きの開始決定をする
⑥免責手続きをする
⑦債権者集会をする
⑧債権者へ配当する
弁護士への依頼なしに自分だけで解決することは、ほとんどできないと考えるべきでしょう。
まずは、自己破産の手続きを進めるべきかどうか、弁護士へ相談する必要があります。
弁護士とは、店舗の原状回復をすべきタイミングや、従業員への対応、敷金の回収など、破産申立をするスケジュールを考えていかなければなりません。
破産申立をすることが決まったら、弁護士からすべての債権者に向けて、受任通知を送ってもらう必要があります。
受任通知をすると、債権者は債務者へ弁済請求ができなくなるほか、破産者は新たな借り入れもできなくなります。
債権者が金融機関の場合には、弁護士から受任通知を受け取ることで口座は凍結されます。
凍結後は預金の取引が一切できなくなるため、滞納税の支払いのほか従業員への給与支払い、店舗の家賃などにあてる費用について入念に検討してから動きましょう。
飲食店を経営していた個人事業主が自己破産する場合、破産申立のため必要書類を準備する必要があります。
なぜなら、「債務超過」また「支払不能」である事実を証明する必要があるからです。
・債務超過:資産総額を債務総額が超過している状態のこと
・支払不能:収入や財産に支払い能力がない状態のこと
上記を証明するためには、下記のような書類を用意する必要があります。
・住民票
・店舗の賃貸借契約書
・確定申告書(2年分)
・預貯金通帳(2年分)
・帳簿
・従業員名簿
・在庫一覧
弁護士に相談し、必要書類を確認してもらいましょう。
破産申立をすることで裁判所から、破産管財人の選任をしてもらいます。
基本的には裁判所が破産手続き開始決定をする前に、破産管財人と面談をして、事業内容や債務の状況、売上の推移などを確認してもらう必要があります。
破産手続きの開始決定がされると、破産管財人により負債や資産に関する調査が始まります。
破産管財人から申立人が質問を受けた場合、応じる義務が生じます。
その後の免責許可が正しいかどうかを判断する重要なステップなので、必要とされる書類は追加で提出しなければなりません。
免責つまり支払い義務をなくすためには、裁判所が最終的に免責を認める必要があります。
たとえば浪費やギャンブルなど、免責するにふさわしくない事実が判明した場合には、免責許可はおりません。
債権者に対し、免責をふくむ破産手続きの進行状況を報告します。
破産管財人は調査結果を報告し、申立人本人ももちろん同席しなければなりません。
配当できる金額がある場合にはその後、債権者へ配当されます。
自己破産を避けるためには、今できる限り借金を返済し負債をなくすため、借りている店舗の「居抜き売却」をするのがおすすめです。
経営困難だからこそ自己破産をするというのに、自己破産にも費用がかかるもの。
自己破産しても一部の支払い義務はなくならず、社会的信用も失うため、できることなら避けて通るべきでしょう。
飲食店経営者は経営がうまくいかなくなっても、店舗にある造作物に価値をつけて売る「居抜き売却」をすることで、資産を確保することができます。
原状回復のため工事をしたり、店舗にある家具など利用できるものを粗大ゴミとして処分する必要もなくなるため出費がおさえられるだけでなく、売却益を得られるケースも。
・家具
・厨房器具
・内装
上記のような造作物をそのまま使いたい、という飲食店経営希望者へ店舗を引き渡すため、同時に次の賃借人も確保できます。
すぐに店舗を借りたい人がいる場合、余分な家賃を払わずにすぐさま撤退できる可能性も上がるため、閉店を検討している経営者にとって最後の救いとなるでしょう。
飲食店の経営者が自己破産をしても、逃れられない支払いがあります。
また、社会的信用面においても最低限まで落ちてしまうといっても過言ではないため、自己破産は最終手段であると考えておくべきでしょう。
可能であれば自己破産ではなく、できる限り自分の力で借金を返し、せめて返済可能な状態で廃業や閉店を選ぶことをおすすめします。
弊社では、店舗の造作物に価値をつけて売却する「居抜き物件」の買取を専門におこなっています。
可能な限り資産を残してお店をたためるよう、たとえ賃貸契約書に「原状回復」の文字があったとしても、解決策を一緒に考えさせていただきます。
「うちの店舗は居抜き売却できる?」
「この店舗を居抜き売却したらいくらになる?」
「原状回復工事が必要らしいけど、どうにかできる?」
上記のようなご相談も多く解決へ導いておりますので、お気軽にご相談ください。